全体像をとらえる
それでは結局、現代のプロジェクトマネージャーにはなにが必要なのでしょうか。結論からいうと、現実のプロジェクトに落とし込むのが容 易かつ体系化された具体的かつ一般的なノウハウです。
これをプロジェクトマネジメントのスキルの見取り図(図序-1)として、プロジェクトを実施する人が自分が置かれた状況と照らし合わせて判断できるようになれば、プロジェクトの成功率を高め、さらに自身のキャリアの生存率を上げることができるでしょう。
本書はそうしたプロジェクトの見取り図となるよう、プロジェクトマネジメント全体を通して必要になるスキルと、各フェーズで必要となるスキルに分けて解説しています。
各章では事例としてITのプロダクト開発を中心に紹介していますが、 プロジェクトの進め方についてはハードウェアの製品開発や組織の業務 改善、イベントなどのプログラム運営など多くの他業界のプロジェクトでも参考になるでしょう。
プロジェクト全体を通して必要になるスキル
● 第1章 プロジェクトとはなにか―― 基本的な知識と考え方をおさえよう
● 第2章 交渉―― 適切なパートナーシップを築こう
● 第3章 タスクマネジメント―― チームでパスワークをしよう
プロジェクトの各フェーズで必要になるスキル
● 第4章 プロジェクト計画― 目標や進め方を決めよう
● 第5章 見積り―― 必要な費用とスケジュールを構想しよう
● 第6章契約―― 不利な条件を回避しよう
● 第7章 要件定義― やるべきことを決めよう
● 第8章 デザイン― 顧客が本当に必要だったものを目指そう
● 第9章 設計― 専門家に渡すバトンをつくろう
● 第10章 テスト― 事業リスクを最小限におさえよう
● 第11章 リリース― 石橋を叩いて渡ろう
● 第12章 保守改善― 事業の成功につなげよう