マンモスプロジェクトにガントチャート機能を実装します(リリース後の追記あり)

2016/11/8 橋本将功

※ 本記事は過去に公開した記事を再投稿したものです。

 

パラダイスウェアの橋本です。みなさんこんにちは。

この度、弊社のプロジェクトマネジメントツール「マンモスプロジェクト」にガントチャート機能を実装することになりましたので、その背景と機能についてお知らせいたします。

 

[追記] 予告通りリリースしました。プレスリリースはこちらです。

プロジェクト状況を、多くの人に理解してもらうために。ガントチャート機能のリリースと「プロジェクト・起業相談会」開催のお知らせ|パラダイスウェア株式会社のプレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000016785.html

 

ガントチャートを導入「しなかった」理由

マンモスプロジェクトでは、タスクの管理方法としてリスト形式、カンバン形式、クリティカルパス形式を採用してご提供してきました。

ガントチャートはプロジェクトマネジメントの手法として認知度が高いものですが、あえてそれを採用しなかったのは理由がありました。

それは、私の約13年に渡るプロジェクトマネジメント経験で数百に上る案件を内部の視点で見てきましたが、プロジェクトの初期から最終工程までガントチャートが現場で適切に機能している例をほとんど見たことがないからです。

 

なぜガントチャートが現代の(特に複雑な)プロジェクトで適切に機能しにくいかは、下記の記事に詳しい説明がありますが、簡単に言うと、下記3つの大きな弊害があるからです。

・〆切ありきの計画になりやすい
・タスクの抜け漏れに気づきにくい
・各タスクの担当者が自分のタスクの〆切しか気にしなくなる

なぜガントチャートはプロジェクトで使えないのか – フロントライン通信
http://frontline.fm/2016/01/14/whyganttchartdoesntwork/

 

例えば、計画時にガントチャートを利用することで、下記のような状況が発生しやすくなります。

・「開発予算の関連で決算までにリリースさせたいからそれまでに間に合う計画を作ろう」
  → 工数見積りが甘いため、大幅に納期と予算をオーバーする可能性があります

・「大体これぐらいのタスクがあって期間はこれぐらいだろうから間に合うな」
  → タスクの抜け漏れが発生して大慌てという状況になります

・「自分のタスクは来週末までが〆切なので着手は水曜日でいいだろう
  → 各タスクが少しずつ遅延してプロジェクトのバッファを食いつぶしてしまいます

つまり、こうしたやり方は現実(実工数やタスク同士の繋がり)に即していないため、すぐにプロジェクトの失敗につながるのです。

 

また、ガントチャートを管理するのは時間がかかり、日々状況が変化するシステム開発などのプロジェクトでは、「前日までの変更を反映するので手一杯」という状況になって、プロジェクトの現在を把握するという重要な目的にそぐわない状況も発生しやすくなります。

…計画立案の際にガントチャートを作成したものの、管理が大変なためにすぐに形骸化してしまったプロジェクトを見たことはありませんか?

こうした理由から、マンモスプロジェクトではガントチャートを採用せず、現場でプロジェクトの現在と全体像を掴みやすい3つの機能を実装しました。

 

ガントチャートを実装した理由

しかし、マンモスプロジェクトを実際にリリースしてみると、お客様から「ガントチャートでも見たい」というご要望をいただくようになりました。

このニーズはどこにあるのか。いろいろと考えてみた結果、ガントチャートは「計画の合意」という意味で重要な役割を担うのではないか、と考えるようになりました。

 

プロジェクトを円滑にマネジメントして成功に導くには、下記のプロセスが重要です。

1. まずやらなければならないタスクを抜け漏れがないように洗い出して計画として正確に組み立てる
2. プロジェクトの現状をできるだけリアルタイムで把握する
3. 把握した状況を柔軟かつ速やかに計画にフィードバックする

現場主導でプロジェクトを成功させるにはこの3つのプロセスで十分なのですが、企業で行うプロジェクトの場合、やはり納期やそれに紐づく予算について、マネージャーやクライアントと合意する必要があります。

このとき、ガントチャートは有効な表現方法になるのです。

つまり、ガントチャートは計画立案と現状の把握には向いていないが、上司や外部に対して説明する際には分かりやすい表現方法だということです。

 

マンモスプロジェクトの場合、既に一つのプロジェクトをリスト形式、カンバン形式、クリティカルパス形式で把握できるため、現実を反映した計画を作成し共有することが可能となっています。

そして、ここにガントチャートを導入することで、よりプロジェクトの状況を多くの人に効果的に理解してもらうことができるようになる、と考えたのです。

また、マンモスプロジェクトでは、今後の実装予定として、プロジェクトの見積りや実際のコストを正確に把握できる機能を導入を進めています。

この際にも、ガントチャートは優れた表現方法として活用することができると考えています。

 

マンモスプロジェクトはまず「プロジェクトメンバー(現場)がハッピーに仕事ができるツール」として設計を始めましたが、今後は組織内や外部の協力者など、「プロジェクトに関わる人全員がハッピーになるツール」として開発を進めていきます。

今後ともよろしくお願いいたします。

Hashimoto Masayoshi
橋本将功
IT業界24年目、PM歴23年目、経営歴13年目、父親歴8年目。Webサイト/Webツール/業務システム/アプリ/組織改革など、500件以上のプロジェクトのリードとサポートを実施。その経験を元に、誰でも簡単に効果的なプロジェクト運営を行うことができるツール「マンモスプロジェクト」を開発した。世界中のプロジェクトの成功率を上げて人類をよりハッピーにすることが人生のミッション。