【プロジェクト、成功してますか?】プロジェクトの成功と失敗 – だれプロラジオ書き起こし #01


 

プロジェクトの成功と失敗

橋本:だれプロラジオ第1回です。第1回、今回のテーマは『プロジェクトの成功と失敗』ですね。

どうですか、成功するプロジェクトってだいたい何割ぐらいですか、感覚的に。

中島:そうですね、何をもって成功っていうかはあれなんですけど、3割行ってればいいんじゃないですか。

橋本:古長谷さんは?

古長谷:形にするならするんですけど、成功かって言われたら満足できるのは3割くらいですね、自分でも。

橋本:なるほど。僕はですね、ほとんど失敗しないんですよ。世の中的にはプロジェクトの成功って何をもって成功と呼ぶかっていう話はもちろんあって、一応プロジェクトマネジメントで基準とされている品質と予算と納期を始めたときにちゃんと合意を取るわけですけど、そこの範囲内にちゃんと納まっていけばOKですよっていう話があります。そういう基準でいけば、世の中的には、統計とか調査とか色々あるんですけど、いい統計で5割成功、で、良くない統計だと90何%が失敗しているみたいな話があります。これ、調べてみると面白いんですけど。

プロジェクトは難しいというふうに言われていて、特に今みたいに技術がどんどんどんどん、ウェブの知識って毎月、毎週、ニュースとかでどんどん変わってくるぐらいのペースなので、それをキャッチアップしないといけない。例えば、フロントエンドっていうアプリやシステムの画面を作る人たちがいるんですけど、彼らの技術って3カ月寝てると時代遅れになるぐらいみたいな…。

中島:浦島ですね。

橋本:そういうスピード感なので、技術の変化をちゃんとキャッチアップしながら成功の基準の中でプロジェクトきっちり完了させるっていうのはね、正直そんな簡単な話じゃないですよね。

中島:そうですね。だからさっきの3割って言ったのも、合意が取れている水準に達するっていうところはもちろん成功としてすごいわかりやすいんですけど、結局そのあと Webサービスなんかだと盛り上がりがね、あるじゃないですか。今もあるサービスとか、あとアプリ何かにしても「1年後検索したらもう消えてるよ」みたいことがもう本当によくあるんですよね。結局シビアな見方だと、先ほどおっしゃってた悪い統計だとね、9割とか失敗してるよみたいな感覚にどうしてもなってしまうっていうところが一つありますよね。
 

新規事業の成功と失敗

橋本:新規事業なんかだと、もっとやっぱりシビアなので、成功は3割もない。

中島:ないですよね。

古長谷:1年以上続くみたいに考えると本当1割くらいですよね。

橋本:いや、もう本当そうなんですよ。新規事業って結構難しくて、例えば Webサービス作るなら作るで一つのプロジェクトを当然成功させないといけないし、で、それを何回も継続して続けていかないと事業って成立していかないんですよ。

割と新規事業とかイージーに考えてる人とか、会社とか多いんですけど、「うちはこんだけ金出したんだから当然成功するだろう」みたいなスタンスでいる人とか。出す側の気持ちとしてはね、僕も経営者なんでよくわかるんですけど、やっぱり投資っていう考え方が必要ですね。例えば、「2億円とか3億円とか新規事業のために出したんだから成功させろ」っていう気持ちは分かるけど、2億円、3億円で新しい新規事業が作れるんだったら世の中誰も苦労してないですよね、日本の経済とんでもないことになってるはずですよね、っていう話があって(笑)。

何が言いたいかっていうと、プロジェクトの成功を積み重ねていく、だから要は打率が高くないとその積み重ねがうまくいかないので、そういう解像度というかね、「金を出せばうまくいく」みたいな世界じゃないっていうことがもうちょっと世の中的に理解が浸透するとね、より新規事業やプロジェクトに対する取り組みに対する理解が深まるんじゃないかなと思ったりしますね。
 

プロジェクトマネジメントは誰でも知っておいたほうがいい

橋本:どんな仕事でも、ソフトウェアエンジニアとかもそうだと思うんですけど、デザイナーもそうだし、ブランディングの話ももちろんそうだと思うんだけど、どうやってビジネスに貢献するか、みたいなことをやっぱり経験積んでいくと考えざるを得ないし、例えば中島さんはデザイナーだから「この進み方は絶対まずいよ」と思うことあるじゃないですか(笑)。

中島:ありますあります。

橋本:「この進み方まずいよ」と思いながら引き受けてると自分が苦労するから、「それだったらもう上流から関わらせてくれよ」っていう話になると思うんで、プロジェクトマネジメントって本当はみんな知っといた方がいい。

古長谷:そうなんですよ。関係ない人っていないんですよ、基本的にはやっぱり。

橋本:Webセミナーとかでもね、例として使ってたんだけど、例えばみんなで集まってバーベキュー行きますみたいな話でも、ちゃんと役割振ったりとか、当日雨降ったらどうすんのとか、車出す人酒飲めないけどいいんだっけ、みたいな、そういうことをちゃんと考えるのは、プロジェクトマネジメントなんですよね。だから、別に仕事じゃなくても必要なスキルだったりするので、みんなまとめるとか仕切るとか嫌がるじゃないですか(笑)。

中島:嫌がりますね。嫌がりますね(笑)

橋本:これ、日本人ていう言い方していいのかわかんないけど、みんなやりたがらないので。ただ、やれるようになると、少なくとも仕事ではすごく重宝される。

古長谷:プロジェクトとか新規事業って、スタートアップとか、私たちみたいにベンチャー企業みたいなイメージがあるんですけど、もともと私の最初の会社は120周年、次の会社は300周年だったり、今もクライアントで老舗の会社さんが多いんですけど、そこって経営者が代々新規のプロジェクトを上手に外部ブレーン入れて、どんどん新規プロジェクト回していって100年、200年って続けてるんです。というか、ビジネスって続けてかなきゃ意味ないですし、そういうふうに考えるとやっぱみんな続いてるものをうまくずっとプロジェクト回してるんで。

中島:そうですね。

橋本:新規事業とかね、事業って時代とか社会に合わせて適応していかないといけないから、絶対何かチャレンジをやらないと廃れてしまう

僕いつも思うんですけど、イノベーションとかっていうと何かを破壊するみたいな感じがあるけど、それって結構結果論であって、例えばいつも思うんすけど、車が日本に入ってきて、政府がこれから車社会にするんだ、モータライゼーションだ、みたいな状況のときに人力車をやってた人とか馬車をやってた人たちっていっぱいいたはずで、その人たちってどうなったんだろうなっていうのを、僕いつもよく考えるんですよね。

だから、新規事業みたいな新しいことは、社会単位でも結構あって、古い物を捨てざるを得ないというかね、変えていかないとなかなか活力のある組織とか社会にはならないんだろうなと思ったりします。
 

失敗したプロジェクトをどう考えるか?

橋本:一般的な組織ってプロジェクト失敗するとアンタッチャブルにするんですよ。誰も触れたがらないみたいな。

中島:短期的にもう終わらせちゃうみたいな感じ。

橋本:とか、マネージャー層がその話を出すと渋い顔をするから、みたいな。

そうじゃなくて、失敗からも学ぶこといっぱいあるので、反省みたいなの。だから、なんでプロジェクト失敗したときにアンタッチャブルになるかっていうと、責任問題にしようとするから。日本人って、またこれも…日本組織って言ったらいいのかな。

例えばプロジェクトやりました。で、結構大々的にやって、特別予算を会社から取って、A部署が主幹で、その事業部長がBさんで、Bさんの肝いりでやったんだけど、全部ポシャりました。でもこれ、さっきのプロジェクトの成功と失敗の話からいくと、B事業部長に責任がない可能性も当然あって。プロジェクトってそもそも難しいので、これは会社としてやるべき事業として投資をしたんだから、その失敗もちゃんと資産として活かしましょう、みたいな話をすればいいと思うんだけど、すぐB部長の進退の問題とかね、社内政治のネタになったりするので。

だからそういうことをやると、例えばその経緯を知らないC事業部長は全く同じことをやってしまうとかってのはよくあって、同じミスを繰り返す組織って大体そういう感じなんですよね。

なのでちゃんと、成功したらもちろんね、「成功した、すばらしい!!」っていう話なんですけど、失敗したときもちゃんと振り返りの資産として残さないと。

中島:だってイチローだって3割ちょっとしか打てないんだから、っていう。だからやっぱり失敗もあっての成功だっていうところがね。だから失敗したときにいた人をむしろ新規プロジェクトにどんどん経験値として入れるっていうのは、適材適所あると思いますが、やっぱりなぜ失敗したのかをちゃんと分析した上で、新しいことをやり続けるっていうのがね。

橋本:大事だと思いますね。

中島:大事だと思いますね。

橋本:ということで、第1回だれプロラジオ、『プロジェクトの成功と失敗』ということでお送りしました。コメントで色々ご質問とかいただければお答えします。ありがとうございました。

橋本&中島&古長谷:ありがとうございました。

 

Hashimoto Masayoshi
橋本将功
IT業界24年目、PM歴23年目、経営歴13年目、父親歴8年目。Webサイト/Webツール/業務システム/アプリ/組織改革など、500件以上のプロジェクトのリードとサポートを実施。その経験を元に、誰でも簡単に効果的なプロジェクト運営を行うことができるツール「マンモスプロジェクト」を開発した。世界中のプロジェクトの成功率を上げて人類をよりハッピーにすることが人生のミッション。