橋本:みなさんこんにちは。パラダイスウェアの橋本です。
中島:中島です。
古長谷:古長谷です。
橋本:だれプロラジオ、第21回は。
古長谷:「そもそもプロジェクトマネジメントとは?」です。
現場によって認識の違うPMの役割
橋本:ずっとPMの話を、プロジェクトマネジメントの話をしてきた割には、「プロジェクトマネジメントとは何か」みたいな話をしていなかったなと思って。
中島:そうですね。
橋本:ただ、あれなんですよね。世の中的にプロジェクトマネジメントって言葉は人によって認識が違うんですよ。
中島:そうですよね。
橋本:これが一番ネガティブなところに出るのは、採用においてなんです。だから例えば、A っていう企業が「案件回せる人が欲しい」と思って、プロジェクトマネージャーを採用します。そして、プロジェクトマネージャーを採用するときに、どういう人を連れてこないといけないかっていうのは会社によって違います。あるいは案件によって違うんですね。
古長谷:はい。
橋本:そして、その募集を見て応募する人は当然「俺はプロジェクトマネジメントできる」と思って応募するわけじゃないですか。この応募する人、B さんが企業A の採用の人に、「僕はプロジェクトマネジメントできます。御社でも活躍できると思います」って言いますよね。すると、「そうか、この人プロジェクトマネジメントできるんだな。」と思って採用したらまったくワーク(機能)しないと。こういうの、めちゃくちゃあるんですよ。
中島:なるほど。
橋本:なんでそういうことが起きるかというと、人によってあるいは企業によって、「プロジェクトマネジメント」という言葉が指している内容が違うからなんですね。
僕は採用のお手伝いをすることも結構あって、絶対に聞くんですけど、「プロジェクトマネジメントやっています」って言ってきたときに、「あなたが得意なスキルはどれですか?」みたいに分解して言うんですね。そして、プロジェクトマネジメントで分解したときにどういうものがあるかと言うと、
・要件定義と見積り、見積りは工数と金額両方ですね。
・タスクマネジメントとリスクマネジメント。どういうリスクがプロジェクトにあるかっていうのをちゃんと見極めて、それをハンドリングできるかどうか。
・開発の場合は、実装の中身をちゃんとレビューできるかどうか。
・リリース計画とかテスト計画とか、そういうのをちゃんと自分で計画できるか。あるいは他にやってもらった人のアウトプットをちゃんとレビューできるかどうか
これらが大事で、要は何でもやらなきゃいけない(笑)。
中島:そうですね。今聞いたら相当ですね。
橋本:これを1人で全部やれる人って、スーパーレアなんです。僕は全部やりますけど。
古長谷:はい。
中島:SR(スーパーレア)ですね。そうですね。
橋本:だけど、それができるようになるのにやっぱり10年ぐらいかかってるので。だから、それぞれのスキル、例えば会社によっては「プロジェクトマネージャー」という役職がついているけど、実際にやってるのは「エクセルいじってるだけです」みたいな人がゴリゴリ開発しないといけない現場に行ったら絶対フィットしない。
中島:そうですよね。
橋本:それはもう単純にアンマッチの話で。だから「プロジェクトマネジメント」って言う時には、具体的にやる仕事を分解して話をしないと、とんでもないことになりますね。
中島:そうですね。
分担も有効な手段
中島:プロジェクトマネージャーの選び方みたいな話で、採用する時に色んな領域がありますよね。「どれが得意か」みたいな。やっぱり1人に全部任せるのはあんま良くないみたいな話だったりします?
橋本:僕はコンビネーションでも良いと思ってて。
中島:そうですね。
橋本:結構会社によって違うんですけど、「プロジェクトマネージャー」って言ってる人は予算管理をする人だったりとか、タスクはディレクターがやりますとか、開発の中身のレビューは SE がやりますとか。こういうのはよくあるんだけど、トータルとしてやらなきゃいけないことは決まっているので、分担は全然ありですね。
中島:そうですよね。
橋本:ただプロジェクトマネージャーとしてスキルセットを高めていきたいとかっていうのがあるのであれば、それは網羅する領域は増やしたほうがいいかなと。
中島:そうですね。
プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャー
中島:やっぱこれからどんどん必要とされてくる職種だと思うんですよ。
橋本:うん、どこにでも PM は必要。
中島:PM 欲しいみたいなことを言われて、「プロジェクトマネージャーですか? プロダクトマネージャーですか?」みたいな話あるじゃないですか。あれってすごくみんな今ふわっとやってる感じがして。
橋本:それすごく簡単で、「人、物、事」ってあるじゃないですか。人のマネジメント、物のマネジメント、物事のマネジメントってあって、どれにフォーカスしているかだけの話なんですね。プロジェクトマネージャーはどっちかというと人とか物事。予算とかお金とかそういうところのマネジメントをやるっていうふうに世の中的には思ってる会社が多くて、プロダクトマネージャーのほうは日本語に直すと「製品開発」です。
中島:そうですね。そうそう。
橋本:なにも難しい話じゃなくて、製品に集中する人みたいな切り方があるんだけど、一応シリコンバレーから輸入された時期が新しいのは、「プロダクトマネジメント」のほうなんですよね。で、それがいかに新しい概念かのように言ってる人もいますけど、ただの「製品開発」だから(笑)。でも最終的に例えば新規事業とか新規サービスの立ち上げでやることって、全部をマネジメントしないと上手くいかないに決まってるんですよね。
中島:そうですね。
橋本:どういうタイトルが付いてても、本当にやるべきことは変わらなくて、もし1人で全部見るのは大変であれば、分担すれば良いっていうだけの話なんですね。
中島:そうですね。
橋本:あとはもう1つ、プロダクトマネジメントが IT業界でちょっと流行っている理由って、IT業界で技術をちゃんと追えているプロジェクトマネージャーって少ないんですよ。なんかよくわからないけど、若いうちは例えばソースコード書いてるのに、偉くなったらプロジェクトマネージャーにさせられて、エクセルの数字しか管理しなくて、技術のことも分かってないのに、「進捗どう?」しか聞いてこないみたいな。そういう中身わかってないくせに偉そうなやつっていう反発が業界に広がってるでしょ? 特にエンジニアを中心として。
中島:なるほど。
橋本:そういう背景で「こいつら(プロジェクトマネージャー)はダメだからプロダクトマネージャーを増やそう」みたいな人たちは確かにいる。
中島:なるほどね。そういうムーブメントがあるんですね。
橋本:だけど、それは従来のプロジェクトマネージャーがダメなだけで、物事をちゃんと上手く回すのであれば当然技術のことわかってなければ、判断ができないわけで。
中島:そうですよね。
橋本:ちゃんと PM が新しい技術のこともを勉強してくださいねっていうだけのお話ですね。
まとめ
橋本:では、プロジェクトマネジメントのまとめにいきましょう。
中島:まとめに、はい。
橋本:
・プロジェクトマネジメントはスキルセットが細かく分かれているので、そこの認識が企業と働く人の間でずれないようにしましょう。
・すべてを1人でやる必要はなくて分担してやれば、まだ経験が浅い人とか、あるいは得意な分野、不得意な分野を補っていけるので大丈夫でしょうと。
では、だれプロラジオ第21回、「そもそもプロジェクトマネジメントとは?」でお送りいたしました。よろしければ高評価、チャンネル登録お願いいたします。
古長谷:お願いします。
中島:それではまた次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました。
古長谷:ありがとうございました。
橋本:ありがとうございました。