橋本:みなさん、こんにちは。パラダイスウェアの橋本です。
中島:中島です。
古長谷:古長谷です。
橋本:だれプロラジオ第22回。
古長谷:「メンバーを育てるプロジェクトマネジメント」。
橋本:これは、うちゅちゅ先生からのリクエストですね。いつもありがとうございます。
中島:ありがとうございます。
橋本:YouTubeのコメントでリクエスト頂いたテーマです。とても大事なテーマだと思うので、僕が普段どういうことを考えてるかっていうのをお話できればと思うんですけど。
人を守り、成長を促す
橋本:僕にはプロジェクトマネジメントの師匠みたいな人はいない、っていう話を前したことあると思うんですけど。キャリア当初、僕はプロジェクトマネージャーではなくて、ディレクターっていう肩書きだったんですけど。ディレクターになる時、僕よりちょっと先にそういう仕事やってた同期がいたんです。そいつとは今でも仲いいんですけど。
彼に、「ディレクターはメンバーを守るのが仕事だぞ」って言われたんです。今でもずっと覚えてるんだけど、この考え方を持ってる人と、持ってない人で明確にそのプロジェクトのやり方は違うんです。
この間、やばいPM の話をしたじゃないですか。やばいPM って、仕事を投げつける人たちなんですよね。「俺のほうが偉い」と思ってる人たち。そして、仕事投げて、「やらないやつが悪い」っていう進め方なんだけど、僕は最初の時にメンバーを守るのが仕事って言われたので、それがすごくずっとその後も残っていて。それは考え方によっては甘いというふうに見られるかもしれないんだけど、ストロングスタイルの人たちには。
古長谷:ストロングスタイル。(笑)
橋本:でも、それをずっと忠実にやってきたんです、もう20年とか。PM だけでいうと19年だけど、実際は成功率、僕のほうが圧倒的に高いんですよ。そういうストロングスタイルの人たちよりも。
メンバーを守ることって、すごい大事なんですよ。プロジェクトの成功においても。
プロジェクトって100%成功するわけじゃない。それをギリギリまで高めるのは PM の仕事なんだけど、外部要因、例えば今回の新型コロナウイルスみたいなことがあって、会社から「プロジェクト予算を削れと言われたからクローズします」みたいなのって、完全に不可抗力なのでしょうがないと思うんですよね。
だけど、プロジェクトをやるからには、始めた時から終わる時まで、「何らかの成長がメンバーの中にあるように」っていうのを常に心がけてるんですよ。それをずっとやっていくと、実際に、お互いやっぱり成長できるので、そうい仕事を投げつけやり方じゃなくて、人を守って成長する考え方が大事なんだなっていうのを、19年たってようやく分かったって感じです。
人を育てるタスクマネジメント
中島:育てるっていうので何か、接し方とか、そういう課題の与え方みたいので気を付けてるとこみたいのってありますか。
橋本:僕は年齢で人を判断しないんですよ。だから、プロジェクトメンバーとして入ってきたら、例えば20代のキャリアが浅い人でも、絶対敬語で、大人として接します。そうすることによって、「自分はちゃんとメンバーとして認められてるので仕事をちゃんとしよう」と思ってくれる。
彼、彼女らがスキル経験が浅いのは当たり前の話じゃないですか、若いんだから。だけど、そこで「未熟者」として扱うと、この人たちも、自分が未熟者として振る舞ってもいいんだと思うようになるんです。だから、上げてくる仕事のクオリティーも、本人の実力じゃなくてもっと低い段階で上げてくるようになるし、自分から提案とかも出してこなくなるので、絶対、メンバーとして入っているからにはプロとして接することですね。
中島:大事なことですね。
橋本:あとは、タスクの渡し方は、人によってストレッチ幅を与えるようにしてます。これ、ストレッチ幅が多すぎるとしんどくなってつぶれちゃうので、本人の実力値をまず見極めます。本人の実力値を見極める時にどういうことやるかっていうと。
例えばプロジェクトで一つのシステムを作らないといけない時に、「こういう役割の人が必要です」っていうのがあるじゃないですか。プロジェクト的に必要だと思われるタスクの切り方をして、まずそれを担当者に渡してみる。そして、当然できてるできてないは確認するんですけど、実力がないと仕事の仕上がりと、こちらの見積りとの間にすごく差が出る。上がってくる物のクオリティーが低いので。
例えば期待するレベルは100%だけど、担当者から上がってくる物が60%だとすると、今度は60%を基準に仕事を渡すようにします。だけど、その担当者が60%の仕事をずっとこなしてもその人は成長しないので、今度は本来あるべき仕上がりの80%とか70%とかの仕事を渡して、「次はこれ、こなせる?」みたいなのをやっていく。徐々にレベルを上げていくと。
子供の頃に読んだ「忍者のひみつ」っていう本があって(笑)。これ、本当かどうか知らないんですけど、忍者はジャンプ力鍛える時に、麻の種を埋めて、飛んでいく。麻の成長が早いから。
古長谷:ちょっとずつ伸びて。
中島:実は成長、早いからね。
橋本:ちょっとずつ、そうそう。その考え方と一緒です。
中島:「気が付けば結構飛べるようになってるわ」っていう。
橋本:そのストレッチ幅も、20%与えると喜んで仕事する人もいれば、逆に考えすぎたりする人もいる。
中島:プレッシャーを感じすぎてね。
橋本:プレッシャーを感じすぎちゃう人は、じゃあストレッチ幅を、5%、10%とか調節して、その人のストレス耐性レベルに合わせてハードルを変えていく。っていうのをやっていくと、めちゃめちゃ伸びる人がいます。エンジニアとかで。
中島:いいですね。
橋本:だから、プロフェッショナルとして100%きっちりマークできる人とかは、そんなに教育目線で仕事をやる必要はないんですけど、そこに達しない場合は丁寧に対応する。あと、人には得意不得意があるから、この領域では100%のレベルのアウトプット出せるんだけど、こっちのタスクはまだスキルは浅いからストレッチ幅作って、「お願いします」みたいにやっていくと切り分けると、すごくワーク(機能)します。
中島:その見分けも結構大事ですよね。
橋本:そう。やっぱ人なんで。人を見ないとタスクってうまく回らなくて。前回の「エクセルのプロジェクトマネジャー」はそういうことできないので、人を潰しちゃうんです。
まとめ
じゃあ、「メンバーを育てるプロジェクトマネジメント」のまとめです。
1つ、実力を見極めましょう。まず、プロジェクト的に必要な、果たしてほしい仕事を渡して、それができるかどうかで実力値を図って、実力値が低い場合は期待値を下げる。
そして、ストレッチ幅を見極めてちょっと期待値を上げて仕事を渡していくと、成長が見込めるでしょうと。人によって成長スピード違うんだけど、プロジェクトが始まった時と終わる時でみんなが成長できてれば、それは、いいプロジェクトだといえるんじゃないか。
中島:どんどんいいチームになってきますしね。
橋本:そうです。本当に自立して回るようになるので、PMも楽になるんですよ。
中島:それ、大事ですね。
橋本:では、第22回「メンバーを育てるプロジェクトマネジメント」を終わりたいと思います。
古長谷:動画がいいなと思ってくださったら、好評価、チャンネル登録、よろしくお願いします。
中島:それでは、また、次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました。
橋本:ありがとうございました。